症例紹介

Case28 内視鏡で胃がんと診断した犬の1例

食欲の低下と頻回の嘔吐を主訴に来院した10歳のチワワちゃんです。

血液検査では異常が認められなかったので、胃炎を疑い対症療法を行いましたが嘔吐が続いたので精査をする事にしました。

エコー1s
胃壁 正常部分
エコー2s
胃 肥厚部分

腹部の超音波検査では胃壁の一部が10mm以上(正常値<6mm)と厚くなっている事が分かりました。

胃の壁が厚くなり正常な五層構造も失われている事から、胃がん等の悪性腫瘍が疑われたため内視鏡検査を実施しました。

内視鏡s
黒いのは内視鏡で、中央にサクランボ状の腫瘤が認められます
病理組織s
病理組織写真 不規則な腺腔構造が認められます

 
内視鏡検査では噴門(食道と胃の移行部)にサクランボ状の腫瘤が認められた。
腫瘤の他、胃と十二指腸の粘膜をそれぞれ5〜6カ所サンプリングし病理組織検査を行った所、胃腺癌と診断されました。

幸い他の臓器に転移を疑う異常所見はみつからなかったので外科適応と考えられますが、食道を含む胃の切除手術は難しいので日本小動物癌センター(埼玉県所沢市)の受診をおすすめしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。