症例紹介

Case23 レッグ•ペルテス病

3週間前からの跛行を主訴に来院した10ヶ月のチワワ君です。かかりつけの動物病院で膝蓋骨内法脱臼と診断されたとの事です。

身体検査では確かに左右とも膝蓋骨脱臼が認められましたが、グレードはⅠ〜Ⅱで診察時には膝の痛みは明らかではありませんでした。
左後肢を後に牽引した時に嫌がったので股関節のレントゲン検査を行いました。

レッグペルテス1s
術前のレントゲン写真

 

向かって右(本人の左)の大腿骨頭が変形しているのがわかります。写真下は股関節の拡大像です。

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股関節拡大像

 

 

 

 

 

 

 

鎮痛剤の投与で経過をみましたが改善が認められなかったため、飼い主さんと相談の結果、大腿骨頭切除術を実施しました。

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術中写真

 

写真左は手術中の所見で白矢印が大腿骨頭です。

 

 

 

写真下は切除した大腿骨頭です。

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切除した骨頭

 

 

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術後のレントゲン写真

 

左は手術後のレントゲン写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大腿骨頭を切ってしまって大丈夫なの?と疑問に思う方も多い(殆どの方?)と思いますが、手術により痛みが無くなり、お散歩は勿論、ペットとして普通の生活が送れます(ソリを引いたりするワンちゃん達は適応ではないかも知れません)。

このワンちゃんの術後2週間の再診時には病院の中を普通に歩いていました。

レッグ•ペルテス病は主に小型犬種において発生する大腿骨頭の虚血による非炎症性無菌性壊死で正確な原因は分かっていません。

無菌性大腿骨頭壊死症またはレッグ•カルベ•ペルテス病とも呼ばれ、若い(多くは5〜8ヶ月、範囲:3〜13ヶ月齢)小型犬に多い病気です。

日本ではあまりなじみのある犬種ではありませんが、マンチェスター•テリアは罹患率が高いとの記載もあります。

症状は疼痛跛行で、レントゲン検査では大腿骨の扁平化、亜脱臼などが認められるます。

治療は軽度のものでは安静と非ステロイド系抗炎症剤の投与等の対症療法を行いますが、対症療法で改善しない場合は外科的処置として大腿骨頭切除術が適応となります。

因に人にも類似のペルテス病という、小児の大腿骨頭の虚血壊死を起こす病気があり、発生率は2万人に一人だそうです。

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

 

 

 

ありません。