症例紹介

Case10 徐脈で麻酔に苦慮した舌の腫瘍

13歳、雌のワンちゃんが口から出血するとの事で来院されました。

口を開けてみると右下顎に大きな腫瘤が認められ、流涎と強い口臭があり食事を摂るのにも支障がありそうです。麻酔をかけていない状態ではどこから発生しているのか確認出来ませんでした。

統計的に口の中に出来る腫瘍は扁平上皮癌や悪性黒色腫、リンパ腫など悪性のものが多いです。

舌腫瘍1s
開口した所


身体検査で徐脈が認められたため、心電図検査を行ったところ、通常の心拍のリズムを作っている所(洞房結節)は働いておらず、心室でペーシングしている事が分かりました。
また、軽度の僧帽弁閉鎖不全症と三尖弁閉鎖不全症も認められました。

 

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心電図所見

 

このように心臓に問題がある場合、麻酔のリスクは高いですが、強い口臭に悩まされ続け、放置すれば食事を摂ったり水を飲むことさえ困難となる事が予想されたためご家族は手術を希望されました。

口に中は全身麻酔でないと手術出来ないので、麻酔中に更に徐脈にならない様、鎮痛剤を使いなるべく浅い麻酔でコントロールするとともに血圧を上げる薬を使いながら手術を行いました。

 

舌腫瘍2s
舌の腫瘤
舌腫瘍3s
舌の腫瘤2

 

 

腫瘤は舌の下から発生したもので、一部壊死していて流涎や強い口臭の原因となっていました。

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縫合しているところ

 

手術は舌の健康な部分で切離し縫合しました。術後は一時的に舌の下側に軽度の浮腫が認めたれましたが、時間とともに改善し経過は順調でご飯も食べられています。

 

舌腫瘍5s

腫瘍は病理組織検査の結果、顆粒細胞種(または顆粒筋芽細胞腫)という良性の腫瘍でマージンクリーンで(全て取りきれていま)した。

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。