症例紹介

Case58 ポリペクトミーを行った粘膜過形成性ポリープの犬の1例

胆嚢粘液嚢腫の既往歴のある14歳のシーズ犬です。
食欲廃絶と嘔吐、下痢の症状で来院しました。

上記の症状は内科的治療が奏功し食欲も出てきましたが、腹部超音波検査で胃の幽門部に直径1cm程の腫瘤(FB)が認められました。

胃ポリープエコー

若干の可動性があり異物の可能性も否定出来ないため内視鏡検査を実施したところ、幽門部の粘膜に発生したポリープである事がわかりました。

腫瘤の形状がキノコ状で茎があり直径が約1cmでスネアよばれる通電ループ状のワイヤーのなかに入るサイズだったので基部にスネアを掛け高周波を流し切除しました。

術後は出血も無く嘔吐などの副作用もありませんでした。

胃ポリープ
Fig2 内視鏡検査所見〜ポリープ
胃ポリープスネア
Fig3 スネアーを掛けたところ

切除した腫瘤はバスケット型の鉗子で回収し病理検査を行いました。
病理組織検査の結果粘膜過形成性ポリープ(腺腫瘍ポリープ)と診断されました。

胃ポリープ回収
回収
胃ポリープ肉眼
腫瘤肉眼所見
ペリペクトミー図1
ポリペクトミー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左はポリペクミー(内視鏡的ポリープ切除術)の手順を示したもので、茎をもったポリープの場合は茎の部分に内視鏡の先端からスネアという通電ワイヤーを掛けて焼き切ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左はイベルメクチンという薬を週1回投与し、2週後の写真です。

大分きれいになり痒みもほぼ治まりました。
卵には薬が効かないので、今後数回治療を続けて行く必要があります。

 

ありません。