症例紹介

Case53 ピンニングを行った第2〜4中足骨骨折の猫の1例

外から帰ってきたら左後肢を跛行しているとの事で来院した2歳の雄の猫ちゃんです。
左後肢は完全に挙上しており、中足部(足の甲の部分)が腫れていました。

オペ前s
初診時レントゲン写真

 

レントゲン検査では左の第2〜第4中足骨4本が骨折している事がわかりました。

4本とも骨折している場合はギブスによる外固定での治療は難しため手術が必要です。

猫ちゃんの指の骨は細いのでプレートは使えず、ピンニングを行います。

 

 

 

 

オペ1s
術中所見1
オペ2s
術中所見2

皮膚を三日月型に切開し骨折部分を露出します。
骨折している中足骨の遠位に細いドリルで穴をあけ、その穴から近位の骨折部に向けキルシュナーワイヤーと呼ばれるピンを刺入して行きます。

写真右は4本のピンを入れ終わり骨折を整復した所です。
ピンの末端は鉤状に曲げ、短く切断します。

オペ後s
術後レントゲン所見

 

写真左は術後のレントゲン写真です。

中足骨の骨折は中央の2本が骨折していなければギブスによる固定で治癒が望めますが、3〜4本全部が骨折した場合は手術が必要です。

大型犬ではプレートによる固定を行う事がありますが、猫ちゃんや小型犬は骨が細いので今回の様にピンニングによる固定が適応になります。

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。