症例紹介

Case31 胸水貯留を認めた僧帽弁、三尖弁閉鎖不全症の猫の1例

前日より元気、食欲なく今日は横臥となってしまったという事で受診した17歳5ヶ月の猫ちゃんです。

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初診時胸部レントゲン写真

 

酸素吸入し状態を安定化した後レントゲンを撮ってみると胸水が溜まり肺が膨らめない状態である事が分かりました。

エコーで確認しながら胸に針を刺し胸水の検査と治療を兼ねて胸水を吸引しました。

胸水の性状から心臓病が疑われましたので、心エコー検査を行う事にしました。

 

 

 

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心エコー 四腔断面図
MR TRs
心エコー カラードップラー像

 

心エコー検査(写真左上)をしてみると、左心房(LA)と右心房(LA)が著しく拡張している事が分かりました。

血流を視覚化できるカラードップラーで見てみると心収縮に合わせ左心室(LV)、右心室(RV)から左心房と右心房にスプレーを吹いた様な異常が血流が認められ、僧帽弁および三尖弁閉鎖不全と診断しました。胸水貯留の原因は心不全です。

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治療後の胸部レントゲン写真

血管拡張薬、利尿剤などの投与を開始したところ食欲も回復し胸水も減り呼吸が楽になり酸素吸入も不要となり自宅での生活に戻る事が出来ました。

僧帽弁および三尖弁閉鎖不全はワンちゃんに比べるとと猫ちゃんでの発生は稀です。

またネコちゃんでは甲状腺機能亢進症の合併症として心臓が悪くなる事がありますがこのネコちゃんは甲状腺の検査は正常でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

 

ありません。