症例紹介

Case18 尿毒症から回復した腎リンパ腫の猫

10日程前から元気、食欲が低下し、現在は食欲廃絶でうずくまって歩かないという事で来院した3歳の猫ちゃんです。

身体検査では重度の脱水と触診で腎臓の腫大が認められました。

血液検査ではBUN(血液尿素窒素)が316.6mg/dlと著増していた他、クレアチニン、リンの値も極めて高い値を示し尿毒症の状態でした。

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腹部レントゲン所見

腹部レントゲン検査でも左右の腎臓が大きくなっている事が分かりました。

腹部エコー検査では右腎臓51.6mm、左腎臓54.1mmと正常の47mmを超えて大きくなっており左右とも腎臓皮質(外側)が高エコー(白っぽく)となっています。

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右腎臓エコー像
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左腎臓エコー像

 

高齢の猫ちゃんでは慢性腎不全が多いことが知られていますが、この子は3歳と若く、左右の腎臓が共に腫大している事から腎リンパ腫が強く疑われたため、腎臓の針吸引生検を実施したころ正常な腎臓からは採れないリンパ系の細胞が採取され腎リンパ腫と診断しました。

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腎臓の細胞診

腎リンパ腫の発生はリンパ腫全体の5%程度で難治性をものが多いと言われています。この症例では腎機能の低下が著しく、飼い主様は強い抗がん治療を希望されなかったので、比較的副作用の出にくいLーアスパラギナーゼとプレドニゾロン治療を選択しました。

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BUNとクレエアチニンの推移

治療開始3日目より元気、食欲が戻り始め5日目には完食するまでとなり退院としました。
ブラフに示した通り腎機能は治療とともに順調に回復し、13病日にはBUNが316.6から38.6mg/dlに、クレアチニンも142.から1.7mg/dlまで低下しました。

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。