予防医療

わんちゃん

狂犬病ワクチン

日本では狂犬病が撲滅されてから50年以上が経ち、ネット上では「日本に50年以上発生がないにもかかわらず、毎年犬に予防接種を強いるのは如何なものか」といった疑問が発せられています。しかし狂犬病は日本、オーストラリア、ニュージーランド、欧州の一部を除き世界中で流行が見られ、WHOの報告によると世界で年間5万5000人もの人が狂犬病により死亡しています。ヒトが狂犬病ウイルスに感染した場合の死亡率は100%です。
ワンちゃんを飼っている方は最愛の家族を病気から守るという事に加え、グローバルな視点にたって狂犬病予防を考えて頂ければと思います。1年に一度の狂犬病予防接種は飼い主さんの義務です。4月~6月に来院される方が多いですが、年間通して接種は可能です。必ず事前に予約をお願い致します。

混合ワクチン

混合ワクチンは、ワンちゃん同士の感染症の中で、致死率が高いもの、高率に感染するものに対して行われます。当院では6種混合ワクチンと8種混合ワクチンを用意しており、ワンちゃんの活動範囲や感染のリスクを考慮していずれかをお選び頂きます。詳しくは獣医師とご相談下さい。
6種混合
・犬パルボウイルス感染症
・犬ジステンパーウイルス感染症
・犬伝染性肝炎
・犬アデノウイルス2型感染症
・犬パラインフルエンザウイルス感染症
・犬コロナウイルス感染症

8種混合
・上記6種
・犬のレプトスピラ症(icterohaemorrhagiae型、canicola型)

混合ワクチンは1年に一度の接種を推奨しております。必ず事前に予約をお願い致します。

犬糸条虫症(フィラリア)予防

蚊が媒介するフィラリアは成長すると長いものでは30cm近くになる素麺状の寄生虫で、主に肺動脈•右心室に寄生し、咳や運動不耐、腹水などの症状を呈します。また重度の感染例では突然の赤ワイン様の尿(血色素尿)、貧血、黄疸、虚脱、尿毒症などの症状をおこす大動脈症候群(venae cavae syndrome)を起こす事もあります。ワンちゃんの生命に関わる寄生虫ですが、きちんと駆虫することでほぼ100%感染を防ぐことができます。

5月~11月の間は、毎月、飲み薬を与えて下さい。錠剤とチュアブルの2種類があります。ただし、予防薬の投与開始前(4月~5月)には血液検査で感染の有無を確認する必要があります。必ず事前に予約をお願い致します。

ノミ・ダニ予防

屋外で活動するワンちゃんには、ノミやマダニが寄生することがあります。ノミは動物から、マダニは草木からワンちゃんに移り、皮膚から吸血します。ノミはアレルギー性皮膚炎の原因となるだけでなく、消化管内寄生虫である条虫を媒介したり、ヒトを刺すこともあります。その繁殖力は強く、環境中に根強く残り、駆除が大変です。同居動物にも簡単に移るため、事前の予防は大切です。またマダニは、バベシアと呼ばれる赤血球に寄生する原虫を媒介することがあり、ひどい貧血を起こします。バベシア症の多くは西日本で認められていますが、近年では東日本でも発生の報告があり、注意が必要です。お散歩に出かけるワンちゃんはマナーとしても、アクティブに活動するワンちゃんは身を守るために、月に一度の投薬を心掛けましょう。予防薬には飲み薬とスポット剤があり、ワンちゃんに合わせてお選び頂けます。

ねこちゃん

ワクチン

3種混合
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症

ネコちゃんの風邪と胃腸炎に対するワクチンです。感染リスクが高く、予防していないと重篤な症状を起こす可能性があります。室内飼育のネコちゃんを含め、1年に一度の接種を推奨しております。必ず事前に予約をお願い致します。
その他
・猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)
・猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

主に屋外で感染するウイルス疾患のワクチンです。完全室内飼育の難しいネコちゃんや、同居ネコちゃんにキャリアーがいる場合などに接種を検討します。事前にお電話にてご確認下さい。

ノミ予防

ネコちゃんにとっても、ノミはアレルギー性皮膚炎の原因となります。屋外のネコちゃんは高率で保有しているため感染源として重要です。仔猫を保護した場合や、野良ネコちゃんが遊びに来る場合、同居のワンちゃんがお散歩で出入りする環境であれば、毎月の予防をお奨め致します。スポット剤の予防薬を用意しております。