症例紹介

Case64 異物による腸閉塞を起こした犬の1例

3日前からの食欲低下と嘔吐を主訴に来院した5歳の雌のトイプードルちゃんです。

異物レントゲン
腹部レントゲン所見

 

胃炎の対症療法を行いましたが症状の改善が認められなかったため、翌日レントゲン検査を行ったところ、腹部中央にUFOを思わせる形状の異物が確認されました。

身体検査で発熱があり、血液検査でCRPの上昇が認められたため、腹膜炎等を併発している可能性も考えられます。

 

 

 

異物エコー
超音波所見

 

腹部超音波検査では小腸の一部が拡張し、かつ内容物が滞留している所見が確認され、異物による腸閉塞と診断しました。

 

 

 

 

 

内科療法では改善が見込めないと判断し、点滴や抗生剤の投与等の対症療法で体力の回復を図った後、手術を行う事となりました。

異物は空腸にあり、腸の直径に対し過大であったため異物を健康側に移動させる事ができませんでした。

異物オペ1
異物による閉塞部
異物オペ2
病変部の腸を切断したところ

また閉塞部の腸管は血行障害で一部穿孔していたため、腸管切開して異物を摘出し縫合しただけでは術後腸管内容物が漏洩して腹膜炎を起こす危険性があるので病変分を切除し腸管吻合しました。

異物は直径約1.5cmの堅いボタン状のもので、飼い主さんは自宅には思い当たる物がないとの事で気がつかないうちにお散歩中に食べたのではないかとの事でした。

術後は24時間の絶食後、徐々に水分から食事を開始し無事退院しました。

異物オペ3
腸管吻合終了したところ
異物
摘出した異物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。