症例紹介

Case5 血管シーリングによる子宮蓄膿症の無結紮手術

〈子宮蓄膿症〉

細菌感染により起こる化膿性子宮内炎が進行し、子宮内に膿が溜まってしまう病気です。
とくに発情後1ヶ月前後に起こりやすく、6歳以上の未経産の犬で発症しやすい傾向にあります。
大腸菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が原因となることが多いです。

症状は食欲や元気低下、嘔吐、多飲多尿、陰部からの膿性分泌などがみられます。

子宮蓄膿症になると子宮内で増殖した細菌から出る毒素が血液中に入り込んで起こる
エンドトキシンショックや、細菌によって引き起こされる全身性炎症反応症候群(SIRS)
という状態に陥り、治療が遅れると死に至ることもあります。

大量の膿がたまった状態では内科的な治療は難しく、
最善の治療法は適切な内科的支持療法の後に外科的に卵巣と子宮を摘出することです。

今回は高周波メスに組み込まれた血管シーリングシステムを利用する事により、
縫合糸を使わず血管を凝固することで安全かつ迅速に手術を行うことが出来、経過も良好です。

VIO-s
今回使用したERBE社のVIO300D

 

通常の切開、凝固モードの他シーリングという機能があり、7mmmまでの血管の止血が出来ます。

 

 

 

 

 

卵巣血管シーリングs
卵巣動静脈のシーリング終了

 

卵巣動静脈の止血が終了し、子宮広間膜の太い血管のシーリング止血している所。

 

 

 

 

 

子宮体もシーリング後切離し結紮は不要です。

子宮血管シーリングs
子宮の血管のシーリング
子宮シーリングs
子宮体のシーリング

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。