症例紹介

Case39 ヒモ状異物による腸閉塞の猫の1例

突然の食欲廃絶と嘔吐を主訴に来院した3歳の雄の猫ちゃんです。
身体検査ではごく軽度の脱水があるのみで、血液検査、レントゲン検査では異常は認められませんでした。

皮下輸液と胃腸炎の内科療法で1日経過観察しましたが改善しませんでした。
翌日の身体検査で初診時には無かったお腹のシコリを触知しました。

ヒモ状異物1s
超音波検査所見

超音波検査を行うと小腸が蛇行し、一部で腸管の拡張と内容物の欝滞が認められました。

写真左は拡張した腸管を示しています。
これらの所見は腸閉塞を強く疑うものなので内科療法で改善する可能性は低いので緊急手術となりました。

 

 

ヒモ状異物2s
手術所見1

 

開腹すると十二指腸から空調にかけアコーデオン状に引詰められています。

これは腸の中にヒモ状の異物が流れて行ったとき腸の蠕動により起こる現象で、時間が経つと腸がすり切れてしまう場合があり迅速な対応が必要になります。

 

 

ヒモ状異物3s
手術所見2

 

幸い今回は異物を胃に押し戻すのとが出来のので胃切開して摘出する事が出来ました。

異物はヒモ状に伸びたビニール袋でした。

異物の長さと種類(毛糸、テグスなど)によっては腸を複数箇所切らなければならないこともあります。

 

ヒモ状異物4s
手術所見3 胃縫合終了したところ
ヒモ状異物5s
摘出した異物

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。