症例紹介

Case24 内視鏡で慢性胃腸炎と診断した犬の1例

4歳の雌のラブラドールレトリバーです。

元気、食欲は旺盛ですが、子犬の時からお腹が弱く、その都度対症療法で改善していましたがここ半年は度々下痢や嘔吐症状が起こり、時には血便も見られるようになって来ました。

相変わらず元気で体重の減少もない事から胃や腸の悪性腫瘍の可能性は低いと考えられましたが、飼い主さんと相談の結果、胃と十二指腸の内視鏡検査を行う事になりました。

胃内視鏡
胃内視鏡写真

 

上部に白く写っているのが生検鉗子です。

上部に白く写っているのが生検鉗子です。
この鉗子で粘膜を採取します。

胃、十二指腸とも肉眼的には粘膜は正常でした。

 

 

 

組織
組織写真 

 

病理
病理組織写真 白矢印は浸潤したリンパ球

組織検査用に、胃と十二指腸それぞれ複数箇所採取した他、細胞診用とリンパ腫が疑われた場合に追加で行う遺伝子検査に備えた材料を保存しました。

 

 

 

 

病理組織検査の結果、胃、十二指腸の粘膜にリンパ球や形質細胞、好酸球などの浸潤が認められ、軽度の慢性胃炎、慢性十二指腸炎と診断されました。

内視鏡検査は動物の場合、全身麻酔が必要ですが、日帰りで行える検査で、帰宅後は食事も出来ます

通常の治療で嘔吐、下痢が改善しない場合は内視鏡検査が有効な検査の1つです。

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。