症例紹介

Case2 外傷性横隔膜ヘルニア

自宅から行方不明になり4日後に発見された1歳の雄猫ちゃんです。
「呼吸が苦しそう」という事でホームドクターを受診し横隔膜ヘルニアと診断され、その後、当院を受診した紹介症例です。

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写真1

レントゲン写真では胸腔内に胃腸や肝臓が入り込んでいて、心臓や肺が圧迫されていることが分かります(写真1)。

横隔膜ヘルニアs
写真2

通常の酸素濃度では少し動くだけで呼吸困難となり、また外傷性心肺症候群の可能性もあったため、高濃度の酸素環境に出来るICUで安定化をはかった後に手術を行いました。
横隔膜は損傷が激しく、体壁との付着部が約270度に渡って剥がれており、また肝臓全体が胸腔側に反転して戻すのが困難でした。

肝臓を整復したところの写真(写真2)で、肺(❊)と肝臓(⇧)並んで見えます。

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写真3


術後の写真です(写真3)。

横隔膜が再建され肺や心臓の形がきれいに見えることが分かります。
手術から9日目に退院し経過良好です。
この猫ちゃんは交通事故が原因で横隔膜破裂を起こしヘルニアになったと思われます。

猫ちゃんが室外で生活するご家庭は交通事故にはくれぐれも注意してあげて下さい。

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。