症例紹介

Case15 犬の上皮向性皮膚型リンパ腫

11歳のワンちゃんです。
一年程前より皮膚炎を繰り返し、膿皮症と診断し抗生剤の投与で改善していましたが、このところ治療への反応が悪く、口の周りやお腹を痒がるという事で来院されました。

皮膚型リンパ腫01s
治療前

お腹や口の周りの皮膚と粘膜の境目の炎症が強く、脱毛、落屑、発赤、糜爛などの症状が見られました。

抗生剤への反応が悪く、進行しているため腫瘍の可能性を考え、皮膚生検を行いました。

病理組織検査の結果、上皮向性リンパ腫と診断されました。
写真左は低倍率像で表皮、毛包へのリンパ球の浸潤と表皮の剥離、出血も見られます。
写真右は高倍率像で、リンパ球の旺盛な浸潤と特徴的なポートリエ微少膿瘍が認められます。

IMGP0091s
病理組織検査 弱拡大
IMGP0095s
病理組織検査 強拡大

 

治療プランはロムスチン(CCNU :日本未発売)を3週毎としました。
ロムスチンは白血球数の減少や肝障害などの副作用が知られているので、定期的な血液検査は欠かせません。

皮膚型リンパ腫03
治療後

治療後1週間の写真です。
毛皮膚の赤みは大分治まり、腫れも引いて痒みも落ち着いて来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調布市 つつじヶ丘動物病院

ありません。